「人を愛する者はいつも人から愛され、人を敬う者はいつも人から敬われる」
と中国の故事にあるといわれます。
仏典の各処にこの考えをさらに一段と深めた言葉があります。
それが『恭敬』で、弘法大師(お大師様)も著作の中に使われています。
意味は読んで字の如く、つつしみ敬うこと、心の底からうやまい尊ぶことであります。
最近では、平等思想が誤って横行し、人に対してはもちろん、神仏に対しても敬い尊ぶ心が大変薄れてしまっているように感じます。
私たちは自分の力の弱さをわきまえ、大宇宙の偉大なる力の神仏の力と恵みに心から身をつつしみ尊敬し感謝する心を持つことによって、
はじめて自らの心を豊かにし、安らぎを持つことができるのです。敬うことのできる心、敬うものを持つことの大切さをしっかりと自覚して参りましょう。